初週末興行成績で動員41万2,302人、興収6億2,461万700円をあげ、週末映画興行成績(興行通信社)でトップになるなど、良いスタートを切った『シン・ゴジラ』。
公開前は「庵野はゴジラよりエヴァの続編つくれよ」だの、「樋口は長谷川と石原、本当に大好きだな!」など、言いたい放題、言われたい放題であったが、レビューを読んでも鑑賞者の評価はおおむね高い。いろいろと語りたいところだが、今回は、一部男性鑑賞者の間で話題となっている環境省自然環境局野生生物課課長補佐・尾頭ヒロミ(演:市川実日子)の魅力について語りたい。
突如、海中から出現した謎の巨大生物。首相官邸で色んな会議が開かれていくが、想定外の事態に対応が後手後手へと回ったり、自衛隊がなかなか出動できずにやきもきしたり、謎の巨大生物がちょっとグロくて女性鑑賞者がちょっと引いてしまっている中、巨大生物は一旦、海中へ姿を消す。再襲来に備え、主役の矢口蘭堂(内閣官房副長官/演:長谷川博己)は、対策チーム「巨大不明生物災害対策本部(巨災対)」を編成する。
各省庁や組織から、仕事はできるかもしれないが出世はできなさそうな変わり者、鼻つまみ者たちが「巨災対」へ寄せ集められ、巨大生物=ゴジラの正体を探り、対処法を考えていくというストーリーが、超格好いい自衛隊の活躍シーン(伝統の「やったか!?」→案の定やってない)を挟みつつ展開されていく『シン・ゴジラ』。そこへ登場したのが、課長補佐・尾頭ヒロミ(市川実日子)だ(初襲来の時点でも顔を見せるているが)。
謎の巨大生物に対して、鋭い推理をビシバシと見せていく一方で、無表情&一本調子の早口でまくし立てるように話す尾頭ヒロミ。メインヒロイン、米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)が、いつもパリッとしたスーツ姿できっちりメイクしているのに対して、尾頭ヒロミはずっとすっぴん(のように見えるだけかもしれないが)で、服装もあまり構わず、後半は髪の毛も乱れがち。
研究者やオタク特有の、得意分野や専門分野のことになると、つい早口になってしまうという「あるある感」や、飾り気はないが、実はかなり美人さんであるというルックス、そしてラスト近くで見せる笑顔――アニメのキャラっぽいというか、オタク受けするキャラと言ってしまえばそれまでだが、「石原さとみよりヒロインしてたと思う」「偏屈なんだろうなぁ、普段からってのが伝わるいいキャラしてた」「あの無表情&早口で叱られたい!」と、その筋の紳士たちから絶賛する声も多い。
尾頭ヒロミを演じた市川実日子は、1978年生まれの38歳のファッションモデル、女優。04年に公開された庵野監督の実写映画『キューティーハニー』にも、秋夏子役という重要な役どころで出演していたりする。庵野秀明監督の好みなんだろうな、アニメのキャラクターで言えば誰なんだろうか……と妄想するのも楽しいと思うので、『シン・ゴジラ』をすでに鑑賞した人もこれからという人も、彼女に注目してみるとまた一味違う楽しみ方ができるかもしれない。
(文・馬場ゆうすけ)
〈引用元〉
zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160803-00010000-otapolz-ent
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